tripleS「Baby Flower」新曲解説|“Girls Never Die”のその先へ──24人が歌う希望はなぜこんなにも切実なのか 【New Album「LOVE&POP pt.1」収録曲】

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tripleS「Baby Flower」MV


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2026年のK-POPで、こんなに“泣ける前向きさ”は珍しい

ここ数年のK-POPはずっと強かった。

自信。

自己肯定。

ガールクラッシュ。

勝者の物語。

もちろんそれは時代に必要だった。

でも2026年の「Baby Flower」は少し違う。

この曲には、

「私は最強」

という言葉がない。

代わりにあるのは、

「それでも立ち上がる」

という感情だ。

そこが重要だ。

tripleSは昔から、

完成されたスターではなく、

成長途中の少女たちを描いてきた。

そして「Baby Flower」は、

その物語の延長線上にある。

これは成功の歌じゃない。

生存の歌だ。


tripleS「Baby Flower」 基本情報

「Baby Flower」は24人完全体によるフルアルバムプロジェクト

『ASSEMBLE26 LOVE&POP pt.1』

のタイトル曲として公開された。

今回の『ASSEMBLE26 LOVE&POP』は、

2026年を通して3部構成で展開される大型プロジェクトとして企画されている。

またプロデューサー陣には、

Monotree系クリエイターやEL CAPITXNが参加。

特にEL CAPITXNの参加は重要だ。

彼は近年、

2010年代中盤のK-POPが持っていた

  • 青春性
  • メロディ重視
  • エモーショナルな群像感

を現代的に再構築しているプロデューサーでもある。


tripleSはいま何を描こうとしているのか

tripleSの歴史を振り返ると、

実はずっと同じテーマを歌っている。

それは

「不完全な少女たち」

だ。

『Rising』

『Girls Never Die』

『Are You Alive』

そして今回の『Baby Flower』。

表現方法は変わっても、

根底には共通した感情がある。

傷つくこと。

迷うこと。

それでも前へ進むこと。

特に『Are You Alive』では、

メンタルヘルスや生きづらさがテーマになっていた。

だから「Baby Flower」は突然現れた曲じゃない。

『Girls Never Die』から続いてきた物語の続編に近い。


tripleS「Baby Flower」 楽曲解釈

この曲で最も印象的なのは、

“私”

ではなく

“私たち”

が主語になっていることだ。

最近のポップソングは、

自己肯定が中心になりやすい。

私は最高。

私は特別。

私は勝つ。

しかし「Baby Flower」は違う。

この曲の感情は連帯だ。

ひとりではなく、

みんなで立ち上がる。

だからサビが強い。

大きな勝利宣言じゃない。

むしろ、

「まだ大丈夫」

という確認に近い。

ここには2020年代後半らしい空気がある。

SNS時代の若者は、

昔より繋がっている。

でも同時に孤独だ。

だからこそ、

誰かと一緒に進む物語が響く。


花は“可愛さ”ではなく、“生存”の象徴だった

今回のコンセプトで重要なのは、

花のモチーフだ。

普通なら花は、

美しさ。

可憐さ。

ロマンチックさ。

そういう意味で使われる。

しかし「Baby Flower」は違う。

歌詞の中には、

傷。

涙。

挫折。

雨。

という言葉が並ぶ。

つまり花は、

守られる存在ではない。

耐える存在だ。

雨に打たれる。

風に揺れる。

それでも咲く。

だからこの曲の花は、

少女たち自身のメタファーになっている。


『Girls Never Die』から続く“生き残ること”の物語

tripleSを語る上で、

『Girls Never Die』との繋がりは避けられない。

あの曲は、

K-POPでも珍しいほど露骨に

生存

再起

希望

をテーマにしていた。

そして「Baby Flower」もまた、

同じ場所を見ている。

ただ違うのは温度感だ。

『Girls Never Die』が戦う歌だったなら、

「Baby Flower」は寄り添う歌。

叫ぶ代わりに抱きしめる。

そんな優しさがある。


GFRIENDの亡霊と、2026年K-POPの新しい青春

海外レビューでは、

この曲を聴いてGFRIENDを思い出したという声が非常に多い。

実際、

  • ロックバンド的ドラム
  • エモーショナルなストリングス
  • 疾走感
  • 集団で歌うサビ

には、

2015〜2017年頃のK-POP青春路線のDNAが流れている。

だが単なる懐古ではない。

当時と違うのは、

現代の少女たちはもっと傷ついていることだ。

SNS。

比較文化。

競争。

将来不安。

だから「Baby Flower」の青春は、

キラキラしていない。

少し痛い。

でもその痛みがリアルだ。


24人だからこそ成立する“群像劇サウンド”

音楽的に面白いのは、

この曲が24人という人数を武器にしていることだ。

最近のK-POPは、

個性の強いメンバーを際立たせる方向へ進んでいる。

しかし「Baby Flower」は逆。

全員で歌う。

全員で進む。

全員で支える。

だからサビの多幸感が大きい。

個人のカリスマではなく、

共同体のエネルギー。

それがこの曲の中心にある。


なぜ今、この曲が必要だったのか

2026年のポップカルチャーは、

疲れている。

成功しろ。

成長しろ。

自己実現しろ。

そんなメッセージで溢れている。

だから「Baby Flower」は逆に響く。

この曲は

「頑張れ」

と言わない。

「泣いてもいい」

と言う。

そしてその上で、

「それでも一緒に進もう」

と言う。

だから優しい。

でも弱くはない。

tripleSは昔から、

完成されたヒーローの物語を歌わなかった。

傷だらけの少女たちが、

少しずつ前へ進む物語を歌ってきた。

「Baby Flower」はその集大成に近い。

花は強いから咲くんじゃない。

弱くても咲こうとするから美しい。

この曲が2026年の若者たちに響く理由も、

たぶんそこにある。

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tripleS「Baby Flower」サムネ画像

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