Olivia Rodrigo「drop dead」MV
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“愛があれば救われる”なんて、もう誰も信じていない
Olivia Rodrigoの「the cure」は、かなり痛い曲だ。
ここでいう“痛い”は、感傷的という意味じゃない。
もっと、“現代の恋愛観をえぐる”タイプの痛さ。
この曲が恐ろしいのは、“相手が悪くない”ことだ。
むしろ相手は優しい。
支えようとしている。
理解しようとしている。
それでも主人公は救われない。
ここが、「drivers license」や「traitor」の頃のOliviaとは決定的に違う。
昔のOlivia作品には、“傷つけた相手”が存在していた。
でも「the cure」で描かれているのは、“敵のいない苦しさ”だ。
つまり問題は恋愛ではなく、“自分自身の内部”へ移動している。
そしてそれは、2026年の空気とかなりリンクしている。
今の若い世代って、
- 自己分析文化
- メンタルヘルス言語
- SNS比較
- 過剰な自己認識
の中で生きている。
だから恋愛は、“救済”である前に、“自分の壊れた部分を可視化する装置”になってしまう。
「the cure」は、その感覚を驚くほど正確に描いている。
Olivia Rodrigo「the cure」 基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| アーティスト | Olivia Rodrigo |
| 楽曲名 | the cure |
| リリース | 2026年5月22日 |
| 収録作品 | 『You Seem Pretty Sad For A Girl So In Love』 |
| ジャンル | Alternative Pop / Dream Pop / Soft Rock |
| キーワード | 不安、自己嫌悪、依存、修復不能感 |
| 特徴 | 内省的歌詞、Dream Pop化したサウンド、感情反復 |
Olivia自身、この曲について
“アルバムの中で一番好きな曲のひとつ”
と語っている。
しかも今回のアルバム全体についても、“sad love songs”が中心になると説明している。
ここが重要。
普通、“恋愛アルバム”って幸福か失恋に分かれる。
でも今回のOliviaは違う。
“愛されているのに不安”
を描いている。
つまり『GUTS』時代の怒りや皮肉から、さらに深い自己解剖へ入っている。
Olivia Rodrigoはいま何を表現しようとしているのか
Olivia Rodrigoのキャリアって、ずっと“感情の言語化”だった。
でも最近の彼女は、“怒り”より“崩壊感”へ近づいている。
特に今回のアルバム周辺では、
- The Cure
- Joy Division
- New Order
など、80s〜90sオルタナティブへの接近がかなり目立っている。
これは単なる音楽趣味じゃない。
その世代の音楽って、“救われない感情”を抱えたまま鳴っていた。
完全な解決を提示しない。
「the cure」も同じだ。
曲全体に漂っているのは、“修復したいのに修復できない感覚”。
しかもそれを、以前みたいなPop Punkの爆発ではなく、Dream Pop寄りの浮遊感で描いている。
ここが今作の大きな変化。
感情が叫びではなく、“霧”みたいになっている。
Olivia Rodrigo「the cure」 楽曲解釈
この曲の核心は、“愛では自分を治せない”という感覚だ。
恋愛ソングって普通、
- 愛が救う
- 愛で変われる
- 愛が欠落を埋める
という構造になりやすい。
でも「the cure」は逆。
むしろ、
“愛されるほど、自分の壊れた部分が見えてしまう”
という曲になっている。
ここがかなり現代的。
最近の若い世代って、恋愛へ“救済”を求めながら、同時に“依存したくない”とも思っている。
だから愛されても安心できない。
安心できない自分にさらに傷つく。
「the cure」は、その無限ループを描いている。
しかも印象的なのは、“毒”や“薬”のイメージ。
この曲の恋愛はロマンティックというより、“症状”に近い。
だからタイトルの“cure”も、完全な希望として機能していない。
むしろ、
“治ると思ったのに治らなかった”
という諦めがある。
そこが異常にリアル。
糸、傷口、ほつれ──MVに漂う“修復不能感”
公開されたビジュアルやティーザーでは、“糸”のモチーフがかなり印象的だった。
これはかなり象徴的。
糸って、
- 繋がり
- 修復
- 執着
- ほつれ
全部を同時に表現できる。
しかも今回の「the cure」は、“縫い合わせたいのに縫えない感覚”が強い。
だからMV世界観にも、
- ほどける布
- 崩れるメイク
- 夜の青色照明
- 鏡
- 水
- 手のアップ
みたいな、“不安定な身体性”がかなり合いそうな空気がある。
Oliviaって最近、“怒りの表情”より“空虚な視線”を使うことが増えている。
そこが今作でも重要になっている。
なぜこのサウンドはこんなに“息苦しい”のか
「the cure」のサウンド、かなりDream Pop寄り。
でも完全にDream Popには逃げていない。
低域は柔らかいのに、コード進行にはずっと緊張感が残っている。
つまり、“安心し切れない”。
ここが重要。
最近のOlivia作品って、Pop Punk的な“爆発”から、もっと“内側へ沈む音”へ変わっている。
今回も、
- 深いリバーブ
- 霞んだギター
- 遠いコーラス
- 呼吸感のあるボーカル
によって、“頭の中に閉じ込められる感じ”を作っている。
しかも反復が多い。
同じ感情が何度も回る。
だから曲が進んでいるのに、“抜け出せない”。
これはかなり不安障害的な感覚に近い。
つまりこの曲、恋愛ソングというより“自己認識ソング”なんだと思う。
海外ファンはなぜここまで共感しているのか
RedditやInstagramでは、今回のOlivia新章について、
- “The Cureっぽい”
- “dreamier”
- “hazy”
- “more mature”
- “emotionally devastating”
みたいな反応がかなり増えている。
面白いのは、“失恋”への共感じゃないこと。
むしろ、
“自分自身に疲れている感覚”
へ反応している人が多い。
これはかなり今っぽい。
SNS時代って、人は他人より“自分自身”に消耗している。
比較。
自己分析。
不安。
承認欲求。
だから「the cure」の、
“愛されても治らない”
という感覚が異様に刺さる。
しかもOliviaは、それを劇的に歌いすぎない。
むしろ少し冷静。
だから余計リアルに聞こえる。
「the cure」は、
“恋愛で救われたい時代”の曲じゃない。
“救われないまま、それでも誰かを愛したい時代”
の曲なんだと思う。
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